看護師を目指す学生にとって、国家試験は最も重要な関門です。本記事では試験の概要から合格率、そして効率的な勉強法まで、最新データに基づき解説します。
1.看護師国家試験の基本概要と出題内容
看護師国家試験は、看護師として必要な知識・技能・判断力を評価する国家資格試験です。試験は大きく3種類の問題で構成されており、合計で300点満点となっています。
- 必修問題:50問(各1点)、基礎知識を問う問題で、合格にあたっては8割以上の正答が必須です。
- 一般問題:130問(各1点)、人体の構造や疾病の成り立ち、①人体の構造と機能、②疾病の成り立ちと回復の促進、③健康支援と社会保障制度、④基礎看護学、⑤成人看護学、⑥老年看護学、⑦小児看護学、⑧母性看護学、⑨精神看護学、⑩在宅看護論地域/在宅看護論、⑪看護の統合と実践各領域の11科目から出題されます。
- 状況設定問題:60問(各2点)、①成人看護学、②老年看護学、③小児看護学、④母性看護学、⓹精神看護学、⑥在宅看護論地域/在宅看護論、⑦看護の統合と実践
以上7科目について、実際の現場を想定した問題で、対応力や判断力を問う内容です。
この構成は、看護師に必要な基礎的知識と臨床現場での実践力の両方を評価するために設計されています(厚生労働省 2024年試験基準より

2. 看護師国家試験の過去5年間の合格率と傾向
厚生労働省の公開データによると、2020年から2024年の過去5年間の合格率はおおよそ90%前後で推移しています。これは司法書士や弁護士などの他の国家資格に比べて高い合格率です。
この数字から、看護師国家試験は「しっかりと基礎から対策をすれば十分合格可能な試験」と言えます。しかし、決して簡単な試験ではなく、特に必修問題での8割以上の得点が合格の最低条件となっています。

3. 合格のために必須!必修問題の重要性と合格ボーダーライン
過去の合格者のデータグラフを見ると分かる通り、一般問題と状況設定問題の合格ボーダーは概ね160点前後(約65%)であるのに対し、必修問題は合格の足切りラインとして80%以上の得点が求められています。
必修問題を優先し勉強し確実に8割を確実とれるようになってから、一般・状況設定問題を勉強していきましょう。私の経験上、一般状況設定問題のなかには実習での経験を生かせる問題も多数あります。
勉強し始めのうちは、模試などの点数が伸びなくて不安に思う人も多いでしょうが、やみくもに勉強をするのはよくないです。まずは、必修問題8割というスタートラインに立ちましょう!
状況設定問題は、実際に現場で直面しうる問題となっており、実習を過ごしていくうちに勝手に解けるようになる問題も増えていくでしょう
4. 効率的な看護師国家試験の勉強方法とは?
看護師国家試験は、過去問の類似問題が繰り返し出題される「プール問題制」を採用しています。これは過去問を繰り返し解き、出題傾向や問題の形式に慣れることが合格への最短ルートであることを示しています。
特に必修問題の過去問を反復学習し、正答率8割以上を確実に取れるようになることが大切です。
また、状況設定問題は実習経験が理解を深める助けとなるため、実習内容を振り返りながら学習を進めると効果的です。
5. 実習と勉強を両立させるための具体的な勉強スケジュール例
多忙な実習期間中は全科目を網羅的に勉強するのは難しいため、次のような計画がおすすめです。
- 実習期間中(~11月):毎月必修問題の過去問を中心に数問解き、基礎知識を維持。領域別の過去問を少しずつ学習。
- 実習終了後(12月~試験前):必修問題を完全攻略し、一般問題・状況設定問題の過去問を集中的に演習。
- 模擬試験や復習を繰り返し、弱点の補強に注力。
このように段階的に学習を進めることで、効率的に合格ラインを突破できます。
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