1.人生会議ってなに
もしものときのために、あなたが望む医療やケアについて前もって考え、家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取組のことです。相続や葬儀の方法だけではないんです。
「家族の最後について、どんな最後を迎えたいかを話し合う」という時点で、「重い」「縁起が悪くて話しにくい」という、イメージがあるかもしれませんが、「家族みんなの後悔」がないように大切な話なんです。

2.人生会議の目的
・もしものときに、望む医療やケアについて決めておくこと
・家族や周囲の人への負担を軽減すること
の二つです。ここ数年新型コロナウイルスの影響で帰省を控えたまま、最近会えていなかった家族はいませんか?お母さんやお父さんがどういった最後を迎えたいかしっていますか?延命治療というのは体への負担は大きいです。どんな負担があるかしっかり知って延命治療を受けるかどうか考え話し合ってみましょう。
3.延命治療ってどんなものなの?
延命治療と聞くと、心臓マッサージや人工呼吸器をイメージされる方も多いと思います。
心臓マッサージでの救命についてのイメージがあると思ます。
但し、実際に心停止した場合には心停止時間が長いほど、脳へ大きなダメージがあります。その為復帰したとしても、以前と同じ状態に戻るとは限らないです。また、心臓マッサージ時には肋骨が折れることが多いということもあるのです。
自身で息ができなくなった時には、人工呼吸器といい口から管をいれて呼吸の補助をする機械をつけることもあります。健常者も、全身麻酔の際には使用し抜管後(管をぬくこと)は自身で呼吸をするでしょう。
では80代や90代など高齢になったらどうでしょう。一概に言えることではないですが、高齢になるほど抜管ができなる確率は高くなります。また、人工呼吸器と取り付けることでの合併症として肺炎になってしまうことがあります。人工呼吸器使用中には鎮静剤を使用し寝たきりになるため寝たきりになります。寝たきりになると一気に筋力は低下します。そうすると抜管ができたとしても元通りに歩くことができるようになる方は少ないです。
口から食事が摂れなくなった場合は、点滴や胃ろう・経鼻チューブでの栄養法というものがあります。
経鼻チューブでの栄養法とは鼻から胃まで管をいれ、管から栄養を補給する方法があります。
胃ろうとは、胃に穴をあけてチューブがお腹につくようなイメージをしてもらうといいです。経鼻でのチューブと比べぬけにくいのが特徴的です。
4.延命治療をすることでの負担もある
延命治療について聞いたうえで、改めて行った場合はどうなるのかを考えてみましょう。
「人生の最後は自然に迎えたいと思っていた方が、心臓が止まった時に心臓マッサージを受け目が覚めると、肋骨が折れてしまっており呼吸をするたびに痛い。目が覚めたら口の中に管が入っている。」
「食事が好きなのに満足に口からは食事はできず。鼻に管を入れられて栄養をいれられる。違和感があるからとさわると抜けてしまい、また管を入れられる」
治療をしてほしいと思う人もいればしたくない人もいます。望んでいない場合は大きな負担となることがあります。
5.延命治療しない選択をしたらどうなるの
電気ショックや心肺蘇生、人工呼吸器の心肺蘇生を試みられないということになります。延命治療をしないといったため、治療をしないというわけではないです。
「痛みがあるときには痛み止めを使う」や「熱があるため解熱剤を使う」などは行えます。
延命治療をしないからと言って、何もしないということは誤解をしてほしくないところです。
6.まとめ~もしもの時の事前に延命治療について話し合おう。~
当たり前のことを言いますが、救急搬送される人は、今日救急搬送されると分かっている人はいません。もしもの時の話はもしもの時には話せない事があります。その際家族間で意見の相違が起きることがあります。「本人が延命治療を望んでいるはずだ。望んでいない。」この話し合いになると本人しか結論は知り得ないため、想像での答えになってしまいます。救急の現場ではその話し合いも長く待てない事が多いです。
その際家族たちが迷わないように、家族の負担にならないように、自分の望む治療を受けるためにも話し合うことが大切なのです
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