テレビやニュース、健診の結果でよく目にする「生活習慣病」。
なんとなく名前は知っていても、「実際にどんな病気のこと?」と聞かれると、言葉に詰まってしまう人も多いかもしれません。
でも実はこれ、誰にでも関係のある身近な病気なんです。
例えば、
- 血圧がちょっと高め
- 健診でコレステロールを指摘された
- 最近、体重が気になる…
そんな“よくある体の変化”も、生活習慣病の入り口かもしれません。
大切なのは、「ちょっと気になるな」と思った時に、生活を少しだけ見直してみること。
それが将来の健康を守る第一歩になるんです。
1.生活習慣病とは何か?
定義(厚生労働省より)
生活習慣病とは、厚生労働省によると、
「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」
👉参考リンクはこちらー厚生労働省「健康日本21」より
つまり、毎日の「過ごし方」が積み重なって起こる病気なんですね。
どんな病気が含まれるのか
生活習慣病に含まれる主な病気は次の通りです
- 高血圧症
- 糖尿病(2型)
- 脂質異常症(高コレステロール血症)
- 肥満症・メタボリックシンドローム
- 動脈硬化・心筋梗塞・脳卒中
- 慢性腎臓病(CKD)
これらの病気は、ひとつだけでなく、複数が重なって進行することが多いのが特徴です。
そして、それが心臓や脳、腎臓などの命に関わる疾患につながっていきます。
「成人病」とは違うの
かつては、「成人してから発症する病気」というイメージから、「成人病」と呼ばれていました。
今は、若い人でも発症する可能性があることが分かり、1995年から「生活習慣病」へと名前も変わり、年齢ではなく”生活”がキーワードとなりました。
2.なぜ生活習慣病が増えているのか?
食事が「簡単」で「便利」に変わったから
コンビニや外食、ファストフードはとても便利ですが、
- 塩分が多い
- 脂っこい
- 野菜が少ない
などの傾向があり、知らないうちに栄養バランスが崩れがちに。
運動不足もじわじわ影響してくる
「デスクワークで一日中座りっぱなし」「車移動が多い」「歩く機会がない」…
そんな生活が続くと、消費カロリーが減って、脂肪がたまりやすくなります。
加えて筋力も落ちて、動くこと自体がおっくうになってしまうことも。
睡眠・ストレス・孤独も見逃せない
- 睡眠時間が短い
- 寝ても疲れがとれない
- 仕事や人間関係のストレスが多い
これらはすべて、自律神経やホルモンの乱れを引き起こし、血圧や血糖、脂質に影響を与えると言われています。
3.生活習慣病はどうやって予防するの?
今日からできる、シンプルなことの積み重ねが、いちばんの予防法なんです。
食事を”ちょっと”見直してみよう
- 味付けは「ちょっと薄め」に
- 野菜や海藻、きのこ類を多めに
- 揚げ物や脂っこいものは回数を減らす
無理に全部を変えなくても、「1日1回だけ野菜たっぷりの食事にする」など、小さな一歩から始めましょう。
少しずつ体を動かしてみよう
- 階段を使う
- 通勤で1駅分歩いてみる
- 寝る前にストレッチする
1日30分歩けたら理想ですが、5分、10分でもOK。
だんだん散歩が好きになったり、体を動かすと、気分もスッキリしますよ。
よく眠る・深く休むことも立派な予防
- スマホを寝る30分前に手放す
- お風呂にゆっくり入る
- 朝日を浴びて体内リズムを整える
「眠れないから…」と諦めず、寝る前の習慣を変えるだけで、睡眠の質はグッと変わります。
4.看護師の視点で伝えたいこと
「今は、特に困ってないから、まだ大丈夫」
…そう思っていませんか?
でも、生活習慣病は“静かに進行する病気”です。
「なんとなく不調」の裏に、血圧や血糖値の異常が隠れていることもあるんです。
- 朝、起きても疲れが抜けない
- ちょっとしたことで息切れする
- トイレが近くなった
思い当たることがあれば、健診や血液検査を受けてみるのがおすすめです。
健診は「未来の自分への投資」
忙しい、めんどくさいと後回しにしていた健診。
でも、年に1回、たった数時間で自分の体の状態がわかるって、すごく価値があることだと思いませんか?
検診代がもったいないと思われるかもしれませんが、病気が進行してからだともっとお金がかかります。
気づいた時が、一番若いタイミングです。
5.まとめ|生活習慣を整えることが最高の医療
生活習慣病は、誰でもなる可能性があります。
でも同時に、誰でも予防できるチャンスがある病気でもあります。
- 塩分を減らす
- 体を少しだけ多く動かす
- 夜更かしをやめてよく眠る
そんな小さな行動が、あなたの体を守る“毎日のくすり”になるんです。
未来の自分のために。
「今日から、できることを一つだけ」
それだけで、健康への第一歩が始まります
次回は、「高血圧ってどんな病気?|沈黙のサインと予防のヒント」をテーマにお届けします。お楽しみに!
コメント