【高血圧症】沈黙の病気の予防と日常ケア

おすすめ健康管理

― 血圧が高いと何が怖い?高血圧の原因と予防のポイント ―

1. 高血圧ってどんな病気?

高血圧は「沈黙の病気」

「血圧が高いって言われたけど、体調は悪くないし大丈夫かな…」
そう思っている人も多いかもしれません。

でも実は、症状が出ないまま進行するのが高血圧の怖いところです。
静かに、でも確実に血管や臓器に負担をかけ続ける病気
だから「沈黙の殺し屋」とも言われています。

血圧の基準をおさらい

  • 正常血圧:120/80 mmHg 未満
  • 高血圧:140/90 mmHg 以上(診察室)
  • 家庭血圧での基準:135/85 mmHg 以上

病院では緊張して高く出ることもあるため、家庭での血圧測定がとても重要です。朝・晩に測って記録しておくと、医師の判断にも役立ちます。


2. なぜ高血圧になるの?

塩分の摂りすぎが大きな原因

日本人は世界的に見ても塩分の摂取量が多い傾向があります。
ラーメン・みそ汁・漬物など、日常的な食事の中に塩分は意外と潜んでいます。

目標は1日6g未満ですが、実際には平均9〜10g程度摂取せれていると言われています。
日々の食事で塩分量を見直すことが、最も効果的な予防のひとつです。

運動不足やストレスも影響

  • デスクワークで座りっぱなしが多い生活
  • ストレスや睡眠不足
  • 肥満や内臓脂肪の増加

こうした生活習慣の積み重ねが、血圧を上げやすい体質を作ってしまいます。
また、遺伝や体質も関係しますが、多くは生活の工夫で改善が可能です。


3. 高血圧を放置するとどうなる?

血管がもろくなり、心臓や脳の病気に

高血圧が続くと、血管の壁が傷つきやすくなり、動脈硬化が進みます。
その結果、

  • 心筋梗塞・狭心症(心臓の血管)
  • 脳梗塞・脳出血(脳の血管)

といった命に関わる病気を引き起こすリスクが高まります。

「沈黙の臓器」にもダメージが

腎臓や目の血管も影響を受けやすく、

  • 慢性腎臓病(CKD)
  • 網膜症による視力低下

といった静かに進む合併症が生じることも。
自覚症状がないうちに、じわじわ進行するのが高血圧の怖さです。


4. 今日からできる高血圧対策

減塩の工夫は「続けられること」がカギ

  • だし・香味野菜・柑橘で“うま味”を活かす
  • 調味料は控えめに、素材の味を楽しむ
  • 外食では「タレをかけずに」「汁を残す」

よく「漬物が好きで水で洗って食べる」というものがありますが、
実は、あまり意味がありません。

漬物の塩分は表面だけでなく、野菜の中にまでしっかり浸透しているため、
水で軽く洗った程度では、塩分摂取量はほとんど変わらないのです。

むしろ「量を減らす」「浅漬けを選ぶ」「毎日は食べない」といった工夫の方が効果的。
例えば梅干し1個でも1〜2gの塩分があります。日々の積み重ねが大切です。

有酸素運動を日常に取り入れる

  • 1日20~30分の散歩
  • 階段を使う、こまめに立ち上がる
  • 筋トレや体操も効果的

「短時間でも継続すること」が何より大切です。
運動は、血管の柔軟性を保ち、血圧を下げる効果があります。

血圧を測りましょう

朝と夜、毎日同じタイミングで測ることが理想です。
測定のポイントは:

  • 朝:起床後1時間以内、朝食前、排尿後
  • 夜:就寝前、リラックスした状態で

血圧は日内変動があるため、1回だけの数値ではなく、平均値が大切です。
医師や看護師に相談しやすくなる情報にもなります。

薬を勝手にやめるのはとても危険

血圧が下がってきたからといって、「もう治った」と自己判断で薬をやめる人がいますが、これは非常に危険です。

高血圧治療薬には、大きく分けて以下の2種類があります:

  • 血圧を下げることで症状を防ぐ薬(降圧薬)
  • 心臓や血管を保護し、将来の発症を防ぐ薬(予後改善薬・心保護薬)

つまり、症状がなくても「飲み続けること」に意味がある薬が多いのです。

薬の調整は、必ず医師の判断で行うことが基本。
自己判断でやめると、血圧が急上昇したり、脳卒中や心筋梗塞のリスクが逆に高まることさえあります。
血圧の低値が続く場合はまずはかかりつけの医師に相談しましょう


5. まとめ:高血圧は、生活の見直しで変えられる

高血圧は、日々のちょっとした生活習慣の変化で予防・改善できる病気です。

  • 減塩の意識を持つ
  • できる範囲で体を動かす
  • 血圧測定を習慣にする
  • 処方薬は勝手にやめず、相談しながら続ける

こうしたことを“今日から少しずつ”始めていくことが、
将来の心臓・脳・腎臓を守る第一歩になります。

今気づけたあなたには、これから守れる未来があります。
できることから、始めてみましょう。


引用・参考リンク


次回は、「糖尿病」をテーマにお届けします。

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